「ここがおかしい菌の常識」読んだ感想

感想

著者は医学博士の「青木 皐」さん。
この本を読んだきっかけは、
寺田啓佐さんの「発酵道」に登場していたからです。

この本を読んだ感想としては、
まず思ったのは、語り口調で読みやすく、ところどころユーモラスにあふれていたという点。

ただ、数式などを並べただけの、専門書ではなく一般人でも読みやすい、実用書となっていました。

すぐにでも使える知識が満載でしたね。

例えば、サルモネラ菌は75度の加熱2分で死滅するが、半熟卵は60度しかない。などw

本の章立てとしては、最初に「菌とは」という点をざっくり(かつ、私たちの身近な菌)と紹介してくれています。

また、食中毒が起こる機序をまとめてくれています。

この本を読むことによって、
菌に対して、神経質になりすぎなくてもいい場面は結構あるなと思いました。

なんでも、食中毒はすぐに食べれば問題ない(食中毒はが1000万個~1億個に増えなければ、人間の機序でやっつけるから)など。

続いて、抗菌グッズや、病院での菌対策など、ほんと私たちの身近や、危険を回避するために、この本が作られた(啓蒙のため)だというのはすぐにわかります。

読んでいて、退屈せず、スラスラ読めてしまいました。
文庫本サイズですが、230ページほどです。

以下、メモをした内容です↓

・大腸菌の遺伝子にインシュリンをつくる遺伝子を組み入れ、利用できる

・毎年夏になると、海水浴場にてどれくらい大腸菌がいるかが発表される

・常在菌の代表格が「ブドウ球菌」
人間は体臭は本来はない。
がしかし、このブドウ球菌が、汗や皮脂を食べ物とし、ブドウ球菌が出すおしっこやウンチがニオイの元となる。

常在菌が存在することにより、(産生物質を出すことにより)他の菌が増えないし、
人間が出す、皮脂そのものにも脂肪酸のバリアがある。
これが皮膚の二重バリア。常在菌を必要以上に落とすと肌があれる。その理由は、肌のバリアを一つとることと、皮脂を剥がすから。

黄色ブドウ球菌が、体の免疫と反応してその死骸が膿となる。

男性は皮脂が出やすい。女性は皮脂が出にくいので肌があれやすい。また水仕事で油が流れやすい

髪の毛一本に10万もの菌がついている

胃酸は、硫酸、塩酸と同等の強さ

乳酸菌は胃酸でやられやすいが、
満腹時に摂取すると、ある程度は腸に生きやすくなる。

大豆は吸収されにくいが、納豆は80%吸収される。つまり、納豆菌の恩恵は大きい

須見洋行教授によると、納豆菌は
O157などの有害な菌は殺すが、
人間に有益な菌は殺さない

お茶、大根、わさびなどにも、悪い菌を殺す作用がある

・簡単な意識での手洗いは、かえって手の菌を増やしてしまう。
その理由は、毛穴や汗腺のなかにまで菌は入っており、簡単手洗いによってそこに入っていたのが出てくるから。

持永秦輔の研究
36枚目にしてやっとトイレットペーパーの菌が手につかなくなった。
つまり、35枚以下だとおしりを拭いたときに、手に大腸菌がついている

腸内細菌の産生物質にはビタミンがある。
※これは、ビタミンを意識的に取らなくても、自然と栄養を補給できる説明もできる。1日一食や断食などでもOKと私の推測

お腹を壊して下痢になることがあるが、見方を変えると、新しい菌が入ってきて、少々暴れた。今後は菌が定着することになるので、そうなったら免疫が増えたことになる。

おならにも、腸内細菌が含まれている。空気中に漂う。
おならは、自然に漏れている

同じパンツをずっと穿いていると、二日目には、パンツ全体に大腸菌が検出され、三日目には、シャツにまで及ぶ。研究結果あり。

生レバーを食べて、O157が含まれていても、繁殖前ならどうもない。
体力や胃腸の強い大人という条件もあるが、腸内にO157がいる状況で、症状が出ないまますごすことになる。
この保有している状況を「健康保菌者」キャリアという。
キャリアには十分注意が必要。子どもといっしょにお風呂にはいったり
家にてオナラなどをすることから、子どもに感染することもある。(子どもの体力が落ちていたら)
また、子どもはなにも悪いものを食べてないのに、なぜ食中毒になったのだと問題になるのは、キャリアから映ることも考えられる

食中毒は、食品の中で菌が
一千万から一億個くらいいないと起らない(繁殖する前に、食べてしまえば、体内では繁殖しないので問題ない)

人間の基本防衛システム
①胃酸
②腸の蠕動運動(菌がとどまれず増やせない)
③免疫
④ターンオーバー(菌がとどまるのを防ぐ)
⑤腸内細菌(派閥があり攻撃される)

食中毒菌が繁殖した状態でも、
ニオイ・味・色に変化は出ないので注意が必要。
ニオイ・味・色に変化がでるのは、腐敗菌によって腐敗した状態のみ。

熟成肉を食べる嗜好があるが、
肉の持っている酵素によるものと、菌の作用で、肉が柔らかく風味が出る状態

卵は、排泄口に合流して出ている。
便もとおる道なので、卵にはニワトリのうんちもついている。
当然、卵にサルモネラ菌がついていることもあるが、昨今では検査が厳しくなっているので、見つかる例は少ない


菌は、20~30分に1回、二分裂して増える。
2、4、8というように倍々となる。

サルモネラ菌は、熱で死ぬ
75度を2分加熱すれば大丈夫
ただし、半熟タマゴは60度までなので、お弁当など、時間が経過する場合は、完熟がおすすめ。
半熟でもすぐ食べれば問題ない。

ニワトリの体重を減らすために
エサ切り、水切りという方法がある。
エサと水を与えないのだ。
当然ニワトリはストレスに感じ、そのストレスはサルモネラ菌にも伝わり、宿主がやばいと感じると、増殖するのだとか。

O157は熱に弱い、さらに肉の表面にしかいない。
よって、ステーキはレアでも問題ない。
ただし、ミンチをつかうハンバーグでは、混ぜて、中に押し込んでいるので、中まで火を通さないといけない。
O157を逆さによむと
75度で1分間、菌は0(このやり方で死滅する)

腸内の大腸菌は、消化を助け、新手の菌の繁殖を防ぐ

・自然界で勝手に遺伝子組み換えが起こった例がある。
それが、赤痢菌が、大腸菌の特徴を受け取っていた。(バクテリアファージを介して)

寿司やで殻付き貝は危険
貝には、腸炎ビブリオ(海中の常在菌)(増殖も早い15分に1回分裂))
17度以上で死滅
腸炎ビブリオは魚にもついている
(近海物・アジ・サバ・イワシ・タコなど)

ボツリヌス菌が辛子蓮根にて食中毒を起こした例がある。
辛子蓮根の真空パックで。
真空パックなら安全と思うが、ボツリヌス菌は、嫌気性。つまり真空パックにしたらよい条件となり、増殖してしまう。
ボツリヌス菌は蜂蜜にも含まれる。
だから、1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜は与えてはダメ(免疫が不完全だから)

ボツリヌス菌中毒になると、
目の周りが痙攣する(うごく)
これを利用して、顔面麻痺の治療にボツリヌス菌注射がある。
また、ボツリヌス菌にて、シワ取りの美容にも用いられる

絆創膏が、料理人にダメと言われる所以は、傷口から体のリンパ液が菌の餌となり、かっこうの巣窟となる

・デパートの食品売場にて、菌の検査を行ったら、夕方の地下鉄の駅と同じくらい菌の数だった。

・東南アジアにてO157食中毒は出ない
なぜなら、冷蔵庫を過信していない。
あまり食品を長く置かないから。
日本人は、冷蔵庫を過信しすぎているので、O157が多い。
冷蔵庫中では、菌は増えずに眠った状態が続くだけ。
出せば、また増殖を繰り返す

現代の消毒液で主な2つは、
アルコール(エタノール)と
次亜塩素酸ナトリウム
理由は、手に触れても問題なし
そして、少量なら口に入っても問題ない

噴霧式の粒は数十ミクロンの塊を噴射している。
ただし、大腸菌は2ミクロン
つまり、噴霧しただけではスキマが大きく、大腸菌にあたっていない部分には効果がない。吹くのが効率が良い

米粒は昔の中国や日本の建築の土台にも使われた。

インドでは、おしりを拭くのは左手
食べるのは右手

抗菌という言葉はあいまい
増殖を抑えただけでも抗菌という言葉を使って良いことになっている。

抗菌グッズは確かに抗菌物質を材料に使っている。
その多くは、銀や銅。
金属イオンに菌がついた時に、菌が死ぬ

銀イオンと菌が結びついて死ぬまで時間がかかる。(抗菌が絶対ではない)
さらに、グッズ表面に油分、水分がつくとイオンは反応しなくなる

子どもは土で遊ばせるのが良い
土と腸内はにていて、腸内細菌が土の菌を吸い込むと、豊かになり免疫力が上がる
有機農業で育つ野菜のように、体も元気になる
田舎で遊ぶ子どもが元気なのは、土屋川など自然に菌を取り込んでいるから

ビル内の汚れの80%は外から持ち込まれた土砂

・農場、畜産、水産の場でも、農薬、抗生物質漬けが問題になっている。理由は、それらを常食していると、耐性菌となり、
いざ薬を飲んだ時(人間が)効かない

・掃除が日頃の菌の棲家を減らす

・お見舞いで、花の「鉢物」は敬遠される。それは「根付く」を連想させるから

・日光は、消毒力もあるが、
乾いた状態にすることが、菌が増えない環境づくりとなる

工場の5s とは
整理・整頓・清掃・清潔・しつけ

整理の理という文字は「道」という意味
いらないものを捨て、快適な環境への道をつくる

整頓の頓という時は「すぐに」という意味
すぐに使えるように、決まったものは決まった場所へ

『塵劫記』(じんこうき)は、
1627年に吉田光由(数学者)が著した江戸時代の代表的な数学(和算)の教科書です。
塵劫記には「日本式命数法」があり、
数の小ささを表す表がある。
10のマイナス1乗から
最小で10のマイナス21乗(これを清浄という)
清浄とは、まったく目に見えないほど小さなものしかない世界。
つまりこれ以上はキレイにならない世界