この本は、人間の不思議なつながりについて
著者の研究をもとにまとめられた本となっています。
では、つながりとは何か…
いろいろな分類でまとめられていますが、
まず、恋愛・結婚ですね。
これがただの偶然ではなく、目に見えないつながりの世界(スモール・ワールド)によって起こされてるというのが面白い点。
他には、幸福度も 友人が関係するのだとか
例えば、直接繋がっている人が幸福だと
本人も約15%幸福になることが示されている
さらに 2次の隔たりのある人
友人の友人に対する幸福の効果は約10%
3次の隔たり 友人の友人の友人に対する効果は約6%ある
4次の隔たりまで行くと効果は消滅する
幸福だけでなく、体重も変化したり、
行動・思考・政治なんかも、つながりの影響を大きく受けているというのを、実験のもと解説してくれている本です。
380ページあり、やや骨太な本です。
以下、自分がメモした内容です。
私たちが友人に影響を与え
その友人が自分の友人に影響を与えるとすれば
私たちの行動は
一度ももあったことのない人に影響する可能性がある
例えば友人の友人の友人の体重が増えると自分の体重も増える
友人の友人の友人がタバコをやめると自分もタバコを止める
友人の友人の友人が幸せになると自分も幸せになる
殺人が 見知らぬ者同士のいき当たりばったりの行為であることはめったにない
アメリカではすべての殺人事件の75%に
以前からの知り合いが
しかも往々にして親しい知り合いが関わっている
自分の命を奪うのが誰かを知りたければ周囲を見渡してみるといい
アメリカの 大都市圏における社会貢献プログラムの1つに
暴力分断員なるチームの活動がある
このチームを構成するのは
都会生活に通じた人々でギャングの元メンバーであることも多い
彼らは暴力が広がるサイクルを断つことで
殺人を止めようとする
被害者が出ると その人物の枕元や
家族・友人の家へ飛んでいき
復讐を思いとどまるようにすすめるのだ
たった1人でも暴力に走らないよう説得できれば
少なからぬ命が救われる可能性がある
スモール・ワールドとは
私たちがどう感じ
何を知り
誰と結婚し
どんな病気にかかり
いくら稼ぎ
誰に投票するかといったことのすべてが
つながりに左右される
喫煙をやめさせたいなら 喫煙者本人よりも
その友人たちに喫煙の危険性を納得させる方が早道かもしれない
予防接種をするなら
体の弱い人たちよりも
ネットワークの中心に位置する人達にするほうが
効果があるかもしれない
犯罪を減らしたければ
1つ1つの犯罪を防いだり罰したりするよりも
相互につながりのあるグループの人々を
犯罪行為に走らないよう支援するほうが有益かもしれない
1962年タンザニアで奇妙な出来事があった
ブコバ地区のヴィクトリア湖畔にある
全寮制の女子ミッションスクールで
笑いの伝染が起こったのである (笑い病)
笑いたいという押さえきれない衝動が湧き起こって
人から人へ 広がっていき
ついには千人以上に映ってしまった
私たちは感情を持っているが
私たちは感情を自覚している
幸せな時には自分でもそれがわかる
第2に感情は体の状態に影響を与えるのが普通
顔・姿勢にさえ自分がどのように感じているかが現れる
第3に 感情は
特定の神経生理学的活動と結びついている
気味の悪い絵を見せられれば
脳の深部の組織への血流が即座に変化する
最後に 感情は笑ったり泣いたり悲鳴を上げたりといった目に見える振る舞いと結びついている
いくつもの実験から
次のことが明らかになっている
人々は数秒から数週間の間で
他人が示す感情の状態に感化されるのだ
大学の新入生を 無作為に選び
やや元気のないルームメイトと同室にすると
3か月の間にどんどん元気をなくしていった
見知らぬ者同士が
ごく短い期間接触しただけでも
感情は伝染することがある
ウェイターが笑顔でサービスするよう教育されていると
顧客は満足度がアップしたと言いチップをはずむ
人々の感情や気分は 交流する相手の感情の状態に影響されるのである
研究によってわかったこと
恐怖に震えているとき
私たちの目は見開き
鼻腔は広がる
これは周囲の状況をもっとよく見たり
匂いを嗅いだりするため
同じように 悪臭で胸が悪くなると
私たちの鼻にはしわがより
目は細くなる
悪臭の影響をなるべく防ごうとしている
恐怖を感じている時には
吸気量が増え
嫌悪を感じているときには減るのである
感情を伝染させる生物学的メカニズムは
人間の脳に備わっているとされる
ミラーニューロンシステムかもしれない
わたしたちの脳は他人の行動を見ただけで
まるで自分自身がその行動をしているかのように活動する
ゲームに熱中している人は
ミスをするたびにピクリとする
フィールド上のプレイヤーに
自分自身の体の動きを伝えたくてたまらないのだ
プレイヤーで走り飛び 蹴るのを目にするときに活性化するのは
脳の視覚野だけではない
見ているものについて考える脳の部位だけでもない
私たち自身が
走り 飛び 蹴っているときに働く脳の部位も活性化するのである
またもう1つの実験で
2つの音声を 被検者に聞かせた
1つは肯定的感情
もう1つは否定的感情
被験者はMRIにかけられて
脳の反応が観測された
MRIの結果から 音声に見合った表情をする時に命じる
脳の部位が刺激されることがわかった
肯定的な音声では肯定的な表情をする 脳の部位が反応していた
つまり私たちは他人が感じることを感じ
他人がすることを する準備を常に整えているらしい
テネシー州 マクミンビルにある
ウォーレンカウンティン高校で起きた事件がある
当時 この学校には 1825人の生徒と140人の職員がいた
1998年11月 12日のこと
1人の女性教師がガソリンの臭いを感じ
頭痛
めまい
吐き気を訴えた
その様子を見た何人かの生徒が
すぐに似たような症状を示した
しかし 入念な点検にも関わらず問題は見つからなかった
やる気満々の1人のメンバーによって
チームの雰囲気が良くなり
パフォーマンスは向上する
優れた実証例のひとつに
33人のプロの男子クリケット選手に
超小型コンピューターを携帯してもらう実験があった
コンピューターが試合中の選手の気分を記録するのだ
1人のプレーヤーの幸せと
チームメートの幸福は
試合の状況とは無関係に強く結びついていた
チームメートの幸福度が増すと
チームのパフォーマンスは向上したのである
感情と社会的つながりを データとして収集することにした
そして幸福の社会的ネットワークを図に表してみた
ネットワーク内では
不幸な人は不幸な人同士で
幸福な人は幸福な人同士で群れを作っている
第2に不幸な人はネットワークの終縁に位置するようだ
つまりネットワークの はずれに存在する 傾向が高いのである
ネットワークの数学的分析から
直接繋がっている人が幸福だと
本人も約15%幸福になることが示されている
さらに 2次の隔たりのある人
友人の友人に対する幸福の効果は約10%
3次の隔たり 友人の友人の友人に対する効果は約6%ある
4次の隔たりまで行くと効果は消滅する
1984年に 5000ドルを余計にもらっても
人が幸福になるチャンスはわずか2%しか増えなかった
したがって稼ぎを増やすよりも
幸福な友人や親戚を持つ方が
幸福になれる見通しが立ちやすいのではないだろうか
驚くべきことに
3次の隔たりのある面識のない人でさえ
あなたのポケットに入っている
数100ドルの札束よりもあなたの幸福に
大きな影響を及ぼすかもしれないのだ
多くの現金を持つよりも
多くの友人や親戚を持つ方が
顔に微笑みが浮かびやすくなることはよく知られている
ところが従来の研究では
友人がそこまで重要な理由は全く考察されてこなかった
人は環境の変化によって 幸せになったり悲嘆にくれたりする
たとえば 恋人を見つけたり
宝くじに当たるなど
もしくは失業する、病気になるなど
ところが ある研究では
そうした出来事の後で人は
以前の幸福の水準に戻る傾向がある
事実宝くじの当選者や
脊髄損傷患者についての研究から
たいてい1年か2年後にはそうした人たちの幸福や悲惨の水準は
ほかの人と同程度になることがわかっている
私たちは個人的な幸福の設定値を持っており
それは簡単には変わらないようなのだ
他の人格特性と同じように
個人の幸福は
遺伝子に強く影響されているらしい
1卵性双生児と2卵性双生児の研究から
次のことが分かっている
二卵性双生児やその他の兄弟姉妹と比べて
1卵性双生児は
同じレベルの幸福感を示す可能性がはるかに高いのだ
行動遺伝学者たちはこうした研究を利用し
遺伝学がどの程度の役割を果たしているかを見積もった
もっとも信頼できる推定によると
長期的な幸福の50%は遺伝的な設定値
10%は環境
40%はその人の性格など、考え方など何をしようとするかに
依存しているという
より多くの友人を持つ人は孤独を感じる機会が少なくなる
友人が1人増えることに孤独を感じる日が
1年につきほぼ2日減るのだ
私たちのデータでは
平均的な人が孤独を感じる日は
1年に48日あるので
友人が2人増えれば孤独な時間は約10%減ることになる
アメリカの作家 メンケン
次のような有名なセリフがある
裕福であるとは 女房の姉妹の亭主よりも
少なくとも100ドル多い年収を得ることだ
ある実験ではほとんどの人がこう答えた
自分の給料が35, 000ドル
他の全員の給料が38, 000ドルの企業よりも
他の条件は同じで
自分の給料が33, 000ドル
他の社員の給料が3万ドルの企業で働きたいと
絶対所得が少なくても
後者の企業で働く方が幸せだと考えているのだ
私たちは小さな池の大きな魚になりたいのであり
それより大きな魚になれても
クジラがウヨウヨいる大会を泳ぐのは 嫌なのである
ある古典的な話
2人の友達が ハイキングをしていて
川に差し掛かった
靴を脱いで泳いだ
川から上がると
クマがこちらに向かって走り出した
1人はすぐ逃げ出した
もう1人は靴を履いている
先に逃げた男が 叫んだ
なぜ靴なんか履いてるんだ
クマを振り切る 助けにはならないぞ
後ろの男は答えた
クマを振り切る必要なんてないさ
君を振り切ればいいんだから
これと同じ理屈で
ますます多くの人が美容整形手術に駆り立てられている
脂肪吸引術を受ければ
他人より魅力的な体になれるが
みんながその手術を受けるようになるという異性は消える
妻が死ぬと
夫の死亡率は劇的に跳ね上がる
妻を失って1年以内の男性の死亡リスクは30%から100%も上昇する
この結論ははっきりしており
常に変わらない
しかし妻を失った男性の死亡リスクは
数年のうちに峠を越える
反対に女性の場合は
影響を 受けないという者もいれば
男性ほどではないという者もいたり
影響を受けるという 者もある
人から人に伝染するのは病原菌だけではない
行動も伝染するし
行動の多くが健康に大きな影響を与える
たとえば摂食行動
たまたま大食いの 人の近くの席に座った人は
なぜか同じように食べてしまう その影響は全く意識されない
ジムジョーンズ
彼は 1978年に
900人を超える新者を集団自殺に追い込んでいる
社会学者のデイビッドフリップスが
自殺の伝染に関する研究を発表した
フィリップスは1947年から
68年にかけて
ニューヨークタイムズ紙の1面に
自殺者の記事が出てから
1ヶ月間に全国で自殺が増加したことを指摘した
フィリップスはこれを ヴェルテル効果と呼んだ
手元のお金がどこからやってきて
どこに行くのかを知りたがっている人は多い
1998年 マサチューセッツ州
ブルックナインのデータベース にて
ジョージはどこに?という名前のウェブサイトが立ち上がった
ョージとはジョージワシントンである 最初の紙幣の顔がジョージワシントン このサイトでは特定の紙幣の投資番号と 紙幣を手に入れた場所の郵便番号をデータベースに入力すればその紙幣の行方を追いかけることができる
14世紀のヨーロッパでは
ペストが町から町へと広がる速度は大したものではなかった
当時の人々の1日の移動距離はせいぜい数キロメートルであり
付き合いも近所に限られていたからだ
その頃はペストがヨーロッパ南部から北部まで達するのに
3年以上も要した
それに対し2003年にサーズが発生した際
ある人はこの伝染病をたった1日で
13, 000km近く運んだのだ
それは中国からカナダまで
アムステルダム自由大学の
双生児調査機関
ニーザランズツインレジスターが
8387人の双子を対象に行った研究では
孤独の感じ方の差異は
およそ半分は
遺伝子に左右されることが確認されている
過去200年で
10億らずだった地球の人口は
70億人弱にまで増えた
この増加の半分以上が
1960年以降に起きている
さらに驚くのは
交通の発達のや
人間の移動パターンの変化
19世紀後半 移動は 船が主流だった
例えばイギリスを出発したオーストラリア行きの船は
8か月を費やした
しかし1世紀後には
同じ距離の後悔に50日もかからなくなった
それから間もなくこの2国は
空路で結ばれ
バートヒンクラーが
わずか16日間で単独飛行を成し遂げた
現在では1日1日もかからない
あるオンラインゲームの中で
43歳の日本人女性が
実際にはあったことのない33歳の会社員と結婚した
突然彼が予告もなしに離婚した
しかしそれは架空の話
にもかかわらず彼女は怒り
オンライン上で破壊行為をした
すると現実世界で警察官に逮捕されてしまった
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
社会的ネットワークには
1種の知性が見られ
それが今後のメンバーの知性を高めたり補ったりする
例えば 蟻には知性がなくても
蟻の巣には知性があるし
鳥の群れは 一匹は知性がなくても
各鳥の欲求を結びつけて飛ぶ方向を決める
